鉄道業界の人出不足について駅員をうつ病でやめた僕が語ってみる。

やあ、君は電車は好きかい?

ぼくも好きなんだよ。

でもぼくは鉄道員をうつ病でやめたんだ。1番の原因はぼくがコミュ障だったこと。社内行事に顔を出さず、残業を断り続けたことによる同僚や上司とのコミュニケーション不足が主要因だ。

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そんなぼくが鉄道業界の人手不足の原因と解決策、鉄道員という仕事が僕に教えてくれたこと、あとは鉄道業界ならではのオモシロ小話を語っていきたいと思う。

なぜ今、鉄道業界になぜ人が集まらないのか?

鉄道業界はいま「若者の駅員ばなれ」に悩んでいる。特に7-8年くらい前の「団塊世代の退職クライシス」以降で駅員が集まらないことが顕著になってきたように思う。
昨今では「掃除のおばちゃん」には毎年ボーナスを出すなど工夫をしているが中々思うように人材が集まっていない。
現状では退職者を契約社員として再雇用したり、既存社員の残業で対応している。

ぼくはその理由を3Kだからだと解釈している。

※3K=キツい、汚い、危険

具体的に何が3Kなのか、これから語っていこうと思う。

1.キツいについて

駅員なんてぼーっと改札でしてるだけでチャリンチャリンってお金がもらえるって思ってたぼく。
転職してみたら意外とキツかった。

みんな知ってると思うけど、電車が止まった時に、乗客から”クソリプ”を飛ばされるのはこの上なく惨めだ。だが少なくともこの間だけは関心を向けられている。

乗客はだいぶ前から”駅員”を生命のない物体だと見なしているから関心を向けられるだけマシかも知れない。相手を人間だと思わなくなった途端、乗客の態度はガラリと変わる。品の良いOLが小銭を投げたり、女子高生がどうどうと鼻くそをほじって駅員の目の前で食べたりする。

体力的なキツさについて

◆駅員の基本的な一週間のスケジュールはこんな感じ

曜日 勤務内容
月曜 泊まり勤務
火曜 泊まり明け
水曜 泊まり勤務
木曜 泊まり明け
金曜 日帰り勤務
土曜 休日
日曜 休日

まぁ実際は基本通りにならない、既にぼくが転職した頃から慢性的に人手が不足していて、シフトは2-3人足りない状態で回ってた。つまり残業がデフォで他の空いている日には大抵勉強会や機器の整備点検業務、社内イベントや退勤後の飲み会の強制参加が入ると言った具合だった。

以下にぼくが実際に経験したある1週間の平均スケジュールを載せておく。実態はこちら。

 曜日  勤務内容
月曜 泊まり勤務+トイレ掃除の残業で2時間睡眠
火曜 泊まり明け→社内イベント→2-3次会へ
水曜 泊まり勤務+機器のチェックで2時間睡眠
木曜 泊まり明け→人身事故で他駅の応援へ→お昼退勤
金曜 日帰り勤務→泊まり勤務に変更→週末便所ゲロ掃除
土曜 泊まり明け→勉強会→先輩と飲み会→2-3次会へ
日曜 休日(社内イベントがある場合は強制参加)

 

社内イベントは(運動会や組合報告、ウォーキング大会や社内サークル活動の応援要員、社員旅行やウォーキング大会など)、イベント後の飲み会は2-3次会が平均で、用事がある駅員でも一次会参加は必須となる。

※終電のあとは線路の分岐のお掃除やチェック、避難訓練などがありシャワーをすると睡眠時間が短くなる。

※週末は8割がた鉄道トラブルかお客さまトラブルが発生する。睡眠時間は1.5時間程度、駅長さんはもっと少ない。週末のゲロ掃除は平均で1日に3~5回。

※睡眠不足の中での勉強会では駅長さん含む2割の社員は寝ている。

その結果、睡眠不足で改札内で居眠りしてしまうこともあった、でもそんな時は監視カメラで(お客さまから苦情が入る前に)駅長さんが見ててくれて電話で起こしてくれる。たまに私服覆面巡回員(私服の上司)に減点され評価が落ちる。。。のが普通だが、社内イベントに参加した翌日の居眠りは減点されなかった。つまり「あいつは昨日の社内イベントで疲れたんだろう、多少の居眠りは許してやるか」みたいな風潮があった。人情的だとも言えるし、お客より社内を見て仕事してるとも言える。

精神的なキツさについて

運転見合わせ時はいつもは改札を通過するだけの”お客さま”が「運転見合わせ時」には一斉に「モンスター化」するよ!
ぼくも駅員時代に3億円事件のキツネ目似のリーマンに胸ぐらを思いっきり掴まれて張り倒されたことがある。
やり返せば首になっちゃうし、事件になる、その時は心臓がバクバクしたよ!

外部リンク

駅員への暴力」が増えている原因は何なのか 殴る、蹴る、突き飛ばす…-東洋経済

鉄道係員への暴力行為、2016年度は712件発生(不破雷蔵) – Y!ニュース

まさにこんな感じ!

一見大変そうだけどぼくは結構楽しかった。いつも退屈な改札業務が運転見合わせ時には緊急事態っぽくて興奮してたんだと思う。駅員によってはいつ電車が止まるかビクついて仕事してる人も多い。特に仕事が終わる前だと残業確定だから。

そもそもぼくが鉄道員を選んだ理由は「楽そう」だったから。
前職の財閥商社は激務で、通勤時に利用してた駅のカウンターでのんびり居眠りする駅員を見て「ぼくもあれやりたい!給与が下がってもいい!」って思った。ノルマのない楽な仕事で安定した公務員みたいなもんだと思ってた。
駅員の給与形態は準公務員扱いで30代なら650万ほど、高卒ヒラ駅員では60歳で1,000万超える。現業(高卒)でも普通は昇進して1500万円くらいまで。ただ、定年までやってたら寿命が縮むだろうことは容易に想像がつく。

2.きたないについて

最近はリフォームが進んで綺麗な駅が増えている。
だがそれはあくまで「お客さま」から見える部分だけで鉄道マンの仕事エリアは依然として古くて汚れた世界だ。だって鉄道開業から70~140年経ってるから。

日本の鉄道史 

特に技術者であれば鉄粉の舞う古い作業所や倉庫でカビの匂いの中で仕事していてアスベスト等有害物質の曝露による肺への健康懸念をいつも抱えている。
駅員であれば終電後のトイレ掃除(嘔吐物、便)、乗客同士の流血事件の血の処理(感染症の危険があるため水で流す)、時にはホームに誰かのうんちが出現する。特に夜間の場合は「掃除のおばちゃん」がいないので始発時間までに綺麗にしないといけない。ぼくは泊まり勤務の日は「たのむ!みんな公衆トイレではきれいにうんちして!」って思ってた。

また、古い駅舎では台風時には雨漏り、水漏れなどが頻発するので”お客さま”が濡れないように終電後にみんなでビニールシートと脚立もってきてがんばってた。寝る時間は減ってしまうがこれは結構楽しい作業だった。
そしてせっかく片付けても駅の宿舎にはシャワーが1つか2つしかないので若手は先輩が終わるまで待っていて睡眠時間はさらに削られる、だからシャワー浴びない人も多い。そんなこんなで泊まり勤務のベッドは大抵臭い。これはおっさんパイセンの加齢臭もあると思う。

最近は女の子の駅員もふえたけど、やっぱり女性社員でもうんちやゲロ、酔っ払いが階段から落ちた時の血の掃除はしなきゃいけない、やっぱ嫌だと思う。(誰だっていやだよね)
あと電車の連動盤がある部屋は50年くらい前の核シェルターみたいでかっこいいけどホコリもカビの匂いもすんごい。とっても不潔なんだ。

 

長くなるためその②に続きます。

鉄道業界の人出不足について駅員をうつ病でやめた僕が語ってみる。その②

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